2026-10-07

宮沢賢治「月夜のでんしんばしら」の一節では、電信柱の列を「軍隊」に見立て、月夜の中を勇ましく行進する姿として描いています。

「ドッテテドッテテ」という軍歌のような反復のリズムに乗せて、電信柱は規律正しく並ぶ兵士となり、腕木や電線、碍子、トタン棒などの設備も、軍服・武器・肩章・長靴などにたとえられています。

寒さや暑さにも耐え、決して持ち場を離れず、一列に延々と続いていく電信柱。その姿を、世界に並ぶもののない精強な軍隊として誇張しながら、滑稽さと勇壮さを交えて表現した詩です。

特に、無機物である電信柱が兵士として生き生きと動き出すように感じられる、擬人化と独特の音のリズムが大きな特徴です。