水が反応に参加して、分子内の結合を切り、別の物質に分解する反応のこと。
→ 水によって分子が分解される反応
→ 単なる水濡れや溶解ではない
- 基本イメージ
- 加水:
- 水が加わる(反応物)
- 分解:
- 結合が切れて別の物質になる
- 加水:
たとえば、ある物質が A-B という形でつながっている場合。
そこに水 H₂O が反応すると、
A-B + H₂O → A-H + B-OH
のように、水の H と OH が分かれて結合し、元の結合が切れます。
- 水に溶けるわけじゃない
- 溶解
- 水の中に分散するだけ。化学構造は基本的に変わらない
- 例え:食塩水
- 溶解
- 身近な例
- デンプン:
- ブドウ糖がたくさんつながったもの。
- 唾液や膵液に含まれるアミラーゼにより、加水分解が始まる。
- デンプン → 麦芽糖 → ブドウ糖
- タンパク質:
- アミノ酸がつながったもの。
- 胃液に含まれるペプシンなどのプロテアーゼによって、加水分解が始まる。
- タンパク質 → ペプチド → アミノ酸
- 油脂
- 脂肪酸とグリセリンがつながったもの。
- リパーゼによって、加水分解が始まる。
- 脂肪 → 脂肪酸+モノグリセリド
- アルカリ環境では「石鹸」が出来る
- → けん化
- デンプン:
Note
消化酵素がなくても加水分解は起こり得るが、体内では遅すぎる。
消化酵素は、体温でも加水分解を速く進める触媒である。
- 化学材料・樹脂
- 工業材料では、しばしば劣化原因になる。
- 以下のような材料は水分・湿気・熱・酸・アルカリの影響で加水分解することがある。
| 材料・結合 | 起こりうること |
|---|---|
| ポリエステル | 分子鎖が切れて強度低下 |
| ポリウレタン | 劣化、ベタつき、割れ、物性低下 |
| エステル系可塑剤 | 分解による性能変化 |
| シラン系材料 | 水分と反応して変化する場合がある |
| 一部の接着剤・塗膜 | 密着性や耐久性の低下 |
| 特に、水分+熱があると加水分解は進みやすくなる。 |
- 加水分解が促進する条件
- ただ水があるだけで反応が激しく進むわけじゃない。
| 条件 | 影響 |
|---|---|
| 水分が多い | 反応しやすくなる |
| 温度が高い | 反応速度が上がる |
| 酸性 | 酸触媒で進みやすい場合がある |
| アルカリ性 | アルカリ加水分解が進む場合がある |
| 酵素がある | 生体内では非常に効率よく進む |
| 材料が水を吸いやすい | 内部まで劣化しやすい |
食品では消化、油脂ではけん化、樹脂や塗膜では劣化原因として登場することが多い。